オレンヂなデイズ

イタリア帰りの起業家、奮闘する

ノルウェイのイケメンと調布から江ノ島まで15分で飛んで行った話。

2007年の初春、あの時の俺はよく飛んでいたんだ。

いや、比喩じゃなくて本当に会社の仲間の間で飛ぶことが流行っていた。

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きっかけは当時の弊社(オ●ラソフトウェア)でも1、2を争う金髪、碧眼のイケメンにして超絶飛行機野郎、アイヴィンが日本オフィスにやってきたことだった。

 

彼はノルウェイでセスナの免許を取得しており、東京に着任するや否や調布飛行場に出向いてセスナを借りられるか交渉を始めた。

 

当時、東京都から委託されて飛行場の管理をしていたエアロテック社の方が本当に素敵な方で、本来は国際免許保持者であってもセスナをレンタルすることは出来ない規定だったのだが、彼が操縦することを条件にアイヴィンに日本でのフライト訓練をさせて頂けることになった。

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二回目の打ち合わせで国際免許を持っていても調布飛行場でのフライトは許可できないことをアイヴィンに伝える時、パイロットさんは本当に申し訳なさそうに俺に通訳を頼んだ。パイロットは基本的に英語が話せるのだけれども、細かなニュアンスが伝わらずにアイヴィンを落胆させることがないように配慮してのことだった。

 

その時俺は心の中でクリムゾン・ピッグの有名な一節を思い出していた。

「飛行機乗りのハートは、船乗りよりもさらに綺麗さ。何故ならばアドリアの空と海が、奴らの心を洗うからよ。」

 

そんなわけでパイロットさんと一緒にセスナに乗り込んだ僕たちは、調布飛行場を飛び立ったわけだが、15分後には江ノ島上空に到着していたんだ。超早い。

 

それ以降、何度か仲間内で飛行場には足を運んだ。しかし、そんな楽しい年月もまた飛ぶように過ぎていき、アイヴィンはノルウェイに帰って行った。ビジネスの都合で少し帰国が早まった時、「トモ、そろそろお別れだ」と悲しそうに言った青い瞳は本当に寂しそうだった。

 

その後も、ちょくちょくたまに彼が日本に来た時は必ず飲むようにしている。俺もOperaで勤務していた時はオスロに年に四回くらいは行っていたので、白夜で深夜になってもいつまでも明るい北欧の愉快な街で遊んだこともあった。

 

ちなみにご存知の方もいらっしゃるかとも思うけれど、去年調布飛行場のセスナは上の写真と同型機のパイパー社の機体が残念ながら墜落事故を起こしてしまった。

エアロテック社の方々がその後大丈夫かどうか心配なので近々様子を見に行こうと思っている。

 

変わらず元気に飛んでいてくれればいいな。