オレンヂなデイズ

イタリア帰りの起業家、奮闘する

Skypeで働いて勉強した事を忘れないうちにまとめる。完結編

プロント!(もしもし)お元気ですか?

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Skype ambassadorをして頂いていた真鍋Kaoriさんと。

 

本シリーズも今日で完結でございます。

なんか、「学んだ事をまとめる」って言いつつ、まとまってない部分が散見され、力不足を感じています。

 

特にシルバーレイクの下りはもっと掘ればもっとあると思うので、いつかリライトしたいです。・・そもそも、「安く買って高く売る」って、難度「ウルトラC」な訳ですよ。

 

思えばね、そんな高難度な必殺技が出来たのには、色んな理由があるはずやねん。

マイクロソフトは高く買う結果になったのは間違いない。それは、GoogleFacebookスカイプを買おうとしてたから、値段を釣り上げることが出来たって書いてあった。最終的には高価な買い物やけど、ビル・ゲイツの判断で買うことになったって確かな消息筋から聞いた記憶があるんや。

 

でも、それならばeBaySkypeを売りたがっている時点で、マイクロソフトGoogleが買えばよかった話だし、なんでファンドに付け入る隙を与えたのか、よく考えたら不思議な話なんやねぇ。まぁ、今は話を本筋に戻そうね!

 

じゃあ最後に2つだけ、これから世界に出て行く事を考えている20代の君たちにイタリアで働く俺から伝えたい事を!

最終回にふさわしい「マーケティング」ってテーマでお届けしますわ!最後まで読んだってや!

 

1. マーケティングは確かにおもろいで!でもこんな苦難があるよ!

昔々、「アメリカの至宝」ことIBMが業績不振で危機に陥ってたのを復活させた伝説のCEO、ルイス・ガースナーって人が居てんけど、その人が書いた「巨象も踊る」って言う本があってな、めっちゃおもろいねん!その中でガースナーが米国の主要MBA取得者に人気があるのは、消費財マーケティングマッキンゼーなどのコンサルタント、または投資銀行って著書に書いてたんや。

 

当然、そのくらいにマーケティングってのは面白い訳やねんけど、良い事ばっかりな訳はないやろ?

 

外資系企業でマーケティングをする上で壁になる物の代表に、「ブランドガイドライン」って言う概念があるねん。

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これは俺が考えたキャンペーンで、当時流行っていた「倍返しだ!」の流行語に乗って、ローソンでスカイプクレジットを一定以上の金額買ってくれた人に抽選で倍額プレゼントするっちゅー若干面白かったキャンペーンやねん。結果としてはかなり売り上げにプラスに働いたのを覚えている。

 

ディスプレイバナーも展開して、いつもよりも高いクリックスルー・レイト(バナーを見られた回数の中でクリックされた回数の割合)を叩き出してんけど、このあとでイギリスでSkypeのブランドを管理している人たちに見つかってめっちゃ怒られた。

 

「何よこのデザイン!スカイプはHuman Brandなのよ!文字が燃えてるなんて、下品!!この馬鹿!」みたいな感じ。罵られまくりやったで。

 

外資系企業は結構ブランドガイドラインで定義されて、広告デザインには縛りが多い事が一般的やねん。パワーバランスは、本社のマーケティングチームが大抵強くて、世界中で同じ広告デザインのルールを徹底しようとするねんけど、市場によってそのブランドの認知率とかは全然違うやん?

 

イギリスではSkypeの有料機能の認知もすごく高かってんけど、日本では20%くらいしかSkypeOut(有料機能)の認知率はなかったから、俺ら現場としては「グラスルート(草の根活動)」のステージで面白い事をバンバンやって行きたいと思うねんけど、海外の部隊からは成熟市場と同じような厳密なブランド管理を求められてしまうってのが難しいところやねん。まぁ、これはマーケに限らず、国際企業ではあらゆる部署でローカルvsヘッドクォーター(本社)って構図でたたかって行かないとアカン部分は大きいけどね。

 

自分が信じた道を、理屈立てて説明する能力がないとあかん。それは、業務を深く理解してないと外国人を説得することは出来ないし、だからと言ってイエスマンになってしまったら現地の市場を分かってない人の言う通りに行動することになって、結局は失敗するパターンが多いねんで。難しいさじ加減を調整して行かんとあかんよねぇ。

 

 

2. マーケティングってな、実は2通りあるねん!

Skypeマーケティングをやるときに、マイクロソフトに買収されてからは「マッキャンエリクソン」て言うMSと契約している広告代理店が手伝ってくれることになって、めっちゃ嬉しかった。マッキャンエリクソン・モメンタムって言う部隊の人が担当してくれてんけど、ほんまにSkypeは人が居ない中でやってたから、人が加わってくれることによって飛躍的にできる事が広がって、感動したのを覚えているねん。

 

モメンタムの人たちは、本当にハードワーカーでアイデアマンでびっくりしたのを覚えてる。思えば外資系広告代理店と接触したのはあれが初めてだった。代理店でマーケティングに従事する事を、「エージェンシーサイド」。ブランド企業側でマーケティングやる人を、「クライアントサイド」って言うねん。

 

だから俺は最初、クライアントサイドの人としてマーケティングに携わって、そのときに思ったのは絶対エージェンシーサイドには行きたくないなって、正直思った。

モメンタム・チームの人たちのバイタリティとパワーは俺も憧れるほど格好良く当時の俺には見えたけど、やっぱり労働集約型な感じが半端なかったからね。

 

クライアントサイドでマーケをするのは、知ってる人は知ってる通り、正直言うと楽で、頭を使って企画さえすればそれで手を動かすのは代理店の人がやってくれたから、ほんまに優雅な生活をさせてもらった。(もちろん現場次第ではクライアントサイドのマーケターも瀕死な状況はたくさんあるで)

 

でも、楽な生活を続けながら俺の直感はビンビンに感じてた。

「こんなん続けられる訳ない。」

 

コネも何も無いこの業界で、生き残るには自分を鍛え続ける以外にありえへんねんもん。てな訳で最終的にSkypeMicrosoft Skype Divisionは通算で三年半くらいはお世話になったけど、俺はエッセンスって言う面白そうだと思った会社に行くことにしたんや。日本法人を設立するってステージだったし、面白そうでしょ?

 

エッセンスは、広告代理店だから、今度はエージェンシーサイドの人になる。正直モメンタムの人みたいにゴリゴリ働ける気はしないから、かなり不安な部分はあったけど、そこには絶対に俺が学ばないとアカン何か、デジタルマーケティングの真髄があるように思われたんや。。

 

普通はエージェンシーサイドからクライアントサイドへ人は流れて行くもんやから、俺のキャリアパスはいわゆる逆LODやね。結果、めっ・・・・ちゃ苦しかったけど今振り返ってその価値はあったと思う。立派に今に繋がっているからね。デジタル・エージェンシーの人たちから必殺の「盗賊の極意(スキル・ハンター)」で盗みまくった能力で、俺は今後も戦って行こうと思いますわ。

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ガチで怖かった。。

 

今、ブログを読んでくれてる20代の若人(或いは30台前半)の君が、グローバル企業のマーケティングに興味があるとしたら、伝えたいのはこんな感じの背景をとりあえず知ってもらって、何かのきっかけになればこんなに嬉しいことは無いと思いますわ!

 

ではまた!

ボナジョルナータ