オレンヂなデイズ

イタリア帰りの起業家、奮闘する

サイエンス・オブ・ラスティング リレイションシップの和訳(前編)

www.businessinsider.com

一年前のビジネスインサイダーの記事が、個人的にあまりに良記事なので要約して和訳する。結構意訳しているけども忠実に再現しているつもりです。

 

「ずっと続く関係性に共通して見られる二つの傾向」 / Science says lasting relationship come down two basic traits. 

 

USでは六月が最も結婚式に人気のシーズンで、毎日13,000カップルが結婚式をあげるんだけど、ヘルシーな関係性を継続できるのはだいたいその30%くらいで、大抵は失敗することが分かっている。日々のアクションのうち、何がこの差を作り出すのかを分析する。

 

心理学者のジョン・ゴットマンは40年間に亘って数千のカップルを質問ぜめにして調査し、人々が健全な関係性を維持する事を手助けしてきたのだが、いくつかの発見があった。

 

最も重要なデータは八十年台後半に集まり始めた。この時の方法は、研究室でまずカップルに彼らの関係性について質問し、被験者が回答する際の血圧や心拍数、発汗の度合いを計測し、6ヶ月後にどうなっているかを調べるというものだった。質問はカップルの関係性について、主たる衝突の要因、どのように出会ったか、等だ。この時に重要な発見があった。ゴットマンは集まったデータから被験者を二つのグループに分けることが出来た。マスター(達人)グループと、ディザスター(災厄)グループだ。

 

関係性の達人カップル達は、質問に答える間、生理学的にとてもリラックスしていた。脈拍、発汗、すべての値がリラックス状態だったのに対して、ディザスター(災厄)グループの人々はパートナーの前で関係性についての質問に答える際、まるでサーベルターガーと対峙しているかのような緊張状態だった。案の定、6ヶ月後の追跡調査で災厄グループの方のカップルは殆どが破綻していた。

love changes everything

 ゴットマンが発見した関係性の健全さを示す面白い指標の一つに"Bid response rate"というものがある。これを測るのは簡単だ。例えば、庭に鳥が飛んできたのを見つけた男性が、彼女に「鳥だよ!」と声をかける時、彼女の方はその呼びかけ(Bid)に対して応えるか無視するかを選択する。

 

鳥の例に限らず、色んな出来事に遭遇してカップルの片方が呼びかけを発した場合に、何%の割合で相手が応えるか、或いは無視するかをゴットマンは計測した。結果、六年以内に破綻したカップルは平均して33%のbid response rateだったのに対して、六年後も関係が継続していたカップルは87%だった。

 

関係性をうまく保つ人々は、基本的にパートナーの社会的環境を観察した時に、相手が社会の中で何をうまく出来ているかを発見して、尊敬すると言う肯定的なサイクルを回している。達人と呼ばれる人々は、これをとても意図的に行っており、相手に「ありがとう」を言うためのネタを見つける為にSocial environment scanning / 社会環境スキャンを実施しているかのようだ。反対に、関係性を保つのが上手くない人々は、相手が社会において何を失敗しているかを発見し、そのポイントを侮蔑している。侮蔑(contempt)は二人の関係性に最もダメージを与える感情であることが分かっている。

侮蔑やネグレクトは、関係性にダメージを与えるばかりでなく、相手の免疫機能にまで悪い影響を及ぼすことは広く知られている。

 

また、別の研究から、Kindness / 親切さ が関係性維持のとても重要なバロメーターであることが分かっている。Kindnessはシェイクスピアのジュリエットの言葉通りに作用する。これを引用して、以降は後編に続く。

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My bounty is as boundless as the sea,

我が恵みは海のごとく限りなく、

My love as deep;
我が愛は同じく(海のごとく)深し。

the more I give to thee, The more I have,
汝に与ふれば、その度にいや増す。
(人に何かあげれば、あげた本人の持ち物はその分減るのが普通のはずですが、この人の恵みと愛は、相手にあげればあげるほど、どんどん増えていく)

for both are infinite.
なんとなれば(我が恵みと愛は)ともに限りなければなり。

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